工商時報_名家評論コラム 内部統制の署名は打刻ではない! 取締役の背任リスク防止方法について

2025-06-03

内部統制と言えば、多くの人は、「それって監査部門の責任じゃないの?所轄官庁の規定を順守し、問題がなければそれでいいじゃない?何か表明したり注意したりする必要あるのか?」と考える。 まずこの問題の深刻さをすぐ感じていただけるよう、結論から言うと、内部統制を逆らえば、背任罪に直結する可能性があるのだ。

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内部統制と言えば、多くの人は、「それって監査部門の責任じゃないの?所轄官庁の規定を順守し、問題がなければそれでいいじゃない?何か表明したり注意したりする必要あるのか?」と考える。

まずこの問題の深刻さをすぐ感じていただけるよう、結論から言うと、内部統制を逆らえば、背任罪に直結する可能性があるのだ。

例えば、上場企業A社は急にある特殊な原料が必要となり、その調達部門はサプライヤーのB社と即刻に1億元を超えた契約を締結した。内部統制手続きによれば、「3書確認」(注文書、受領書、請求書)をしないと支払うことができないものの、経営陣(A社の代表取締役)がプレッシャーをかけた結果、経理部門は受領せずに支払った。サプライヤーは代金を受け取った後、一部しか納品せず、色々な理由で残りの納品を逃げ回り、結局連絡も途絶えた。B社はA社の代表取締役と私的な利害関係を持っていたことは、あとで判明された。このような事例では、背任問題が丸見えだ。

何かがあっても、取締役や社外取締役である私と何の関係もないよね?

〈公開発行企業内部統制体制構築の処理準則〉、〈証券取引法〉、〈一二部上場企業ガバナンス実務手引き〉などの条項から、次のことが分かる。内部統制は財務諸表の信頼性と関係しており、内部統制体制の策定・修正およびその有効性の有無は、監査委員会によって評価されなければならない。社外取締役の意見は取締役会の議事録に記載するものとし、最終的な内部統制体制報告書も取締役会に可決されなければならない。

つまり、簡単に言えば、設計から執行、監督、報告まで、取締役と社外取締役は責任連帯者である。

(社外)取締役に大きな責任が課せられるなら、どのような運営サイクルやプロジェクト管理が高リスクで注意した方がよい?

経験によれば、次の分野は特に注意しなければならない。

1. 資金サイクル:財務責任者が許可なしに勝手に資金を配分し、不良債権が発生する。

2. 調達サイクル:水増し請求など。

3. 固定資産サイクル:大規模購入、誤った見積もりなど。

4. 投資サイクル:デューデリジェンスをせずに対外投資、制御不能な合併・買収など。こういった分野が利害関係者とかかわっていれば、リスクはますます高くなる。

それでは、(社外)取締役は自分を守ると同時に、その責任を果たすことができるよう、どうすればよいか。

話し合い中の取引の手続きが漏れていないことを確認すると同時に、不合理な取引(疑わしい異例取引とは何か)が発生したり利害関係者が関与している可能性(犯罪者は利害関係者確認をどう回避するか)があったり、資金貸与、裏書など高リスクの問題(重大で高リスク問題とは何か)に遭遇したりするときは、プレゼン資料のみに頼らず、プロセスに関連する証拠や第三者評価の有無を要求するとよい。もしなければ、ないものを補充して議事録に確実に記録しなければならない。

記録を残す

なぜ聞いた後に記録を残す必要があるかというと、何か問題があった場合、自分が責任を果たした証拠を提示できないと、基本的に責任を逃れることは難しいためだ。

内部統制は企業運営の安全ベルトであり、取締役たちの防火壁でもある。すべての議決権行使と署名することはただの形式ではなく、法的責任の体現でもある。ピーター・ドラッカーは、「最も危険なのは、リスクがないと考えることだ」と述べている。この言葉は、取締役会において特に当てはまる。形式的な手続きを踏めば責任を免れると考えてはいけない。真に自分を守ってくれるのは、リスクが現実になるまでに、もう一度質問をし、もう一度検討し、もう一度記録を残すことだ。

この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://www.ctee.com.tw/news/20250603700129-431303