最低賃金法、審議システムを取り入れて施行

2024-03-18

2023年12月27日、最低賃金法(以下本法という)は行政院により制定され、今年元日から正式に施行された。その立法目的とは、労働者の合理的な最低賃金を保障し、労働者家庭の生活レベルを向上させ、労使協調を促すことである。本法が全部で19条に過ぎないものの、賃金を審議する原則のポイントは全て含まれている

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2023年12月27日、最低賃金法(以下本法という)は行政院により制定され、今年元日から正式に施行された。その立法目的とは、労働者の合理的な最低賃金を保障し、労働者家庭の生活レベルを向上させ、労使協調を促すことである。本法が全部で19条に過ぎないものの、賃金を審議する原則のポイントは全て含まれている。例えば、「最低賃金審議会(以下審議会という)」を立ち上げ評価指標を設定すること、最低賃金審議・許可の手続きや最低賃金規定を違反する使用者の処罰を明文化すること、最低賃金及び基本賃金を融合したシステムなど、時代を画する重大な意味がある。その主要な内容は、次のとおりである。

 

(一)審議会を立ち上げ、その評価指標を設定する

行政院労働部により立ち上げられた審議会につき、そのメンバーは労働者代表、使用者代表、政府代表及び学者・専門家代表を含め、計21人である。会議が労働部長により招集され、社会の方々により最低賃金の調整案につき合意を形成することになる。その過程において、参考すべきな評価指標は消費者物価指数の年増率(CPI年増率)であり、参考できる評価指標は労働生産力指数年増率、労働者平均賃金年増率、国の経済発展状況、国民の所得及び平均所得、国内総生産等が含まれている10の指標である。

 

(二)最低賃金の審議・許可手続きの明文化

新法では、今までになかった最低賃金を審議する方式の一定な手続きを明文化し、法に取り入れた。審議会は、毎年第3季(七月から九月)に会議を招集し最低賃金を審議するものとし、二分の一以上の委員が出席しなければならない。審議において合意が形成できなかった場合、出席した委員の過半数が同意することにより議決することができる。労働部は、審議会議が終わった30日内に、その会議記録及び関連資料を公開しなければならない。

 

(三)最低賃金規定を違反する使用者への処罰を明文化

最低賃金の目的を有効に実践させるために、新法では、労使双方が協議した賃金を使用者が違反した時、2万から100万台湾元の過料に処するという規定を新たに取り入れ、そして事業の規模や違反した人数・状況によって、150万台湾元まで加重して処罰することができる。主務官庁は当該事業名や事業主の名称、責任者名、処分期日及び過料金額を公表し、期限内に改善するよう命じるものとする。期限内に改善しなかった場合は、その都度処罰するものとする。

 

(四)最低賃金と基本賃金を融合したシステム

法律の適用にブランクが生じないように、第1回に制定される最低賃金が公告・実施されるまでに、基本賃金制度を適用すると明白に定めている。また、労働者の賃金に関する利益を保障するために、第1回に制定される「最低賃金」は本来の「基本賃金」より低くなってはいけない。

 

新しい法律が施行された後、審議会が第1回の最低賃金を審議することになり、今後の動きに随時注目されたい。