工商時報_名家評論コラム 同業組合の参加には超えてはいけない境界線

2025-10-31

同業組合は、企業間の交流・協力の大切なプラットフォームとして、産業発展の促進や同業他社の利益を守るのに重要な役割を果たしている。しかしながら、企業が共通の課題について話し合うために集まる際、その境界線を適切に定めなければ、公平取引法で禁止されているカルテルになってしまうかもしれない。そうなると、高額

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同業組合は、企業間の交流・協力の大切なプラットフォームとして、産業発展の促進や同業他社の利益を守るのに重要な役割を果たしている。しかしながら、企業が共通の課題について話し合うために集まる際、その境界線を適切に定めなければ、公平取引法で禁止されているカルテルになってしまうかもしれない。そうなると、高額な過料が科されるだけでなく、企業の評判も損なわれる可能性さえある。したがって、同業組合のイベントや研修などに参加したり絆を深めたりするとき、うっかりして境界線を踏まないよう、関連法規制を知っておく必要がある。

公平取引法第15条では、競争関係のある事業が契約、協議もしくはその他の方式の合意により商品やサービスの価格を共同で決めること、または数量、技術、製品、設備、取引対象、取引地域などを制限するような相互に事業活動を拘束する行為を原則的に禁止している。このカルテルを禁止する規定の目的は、企業が協調行動を通じて市場競争を排除、もしくは減少することによって、消費者の権利と市場メカニズムを損害するのを防止するためである。公平取引委員会の裁罰をみると、同業組合自身もしくはその参加企業メンバーが協調行為により罰せられることはよくある。

では、同業組合がカルテルにかかわっている可能性のあるものは、何があるでしょうか。

同業組合の集まりにおいて、最も一般的で危ない違法行為は、やはり価格に関する話し合いに過ぎない。統一の販売価格を直接に約束したり(例えば拘束力の有無にかかわらず、参考販売価格や利用料金基準を設定すること。)、共同で値上げしたり、共同で交渉を拒否したりすることは、全てカルテルになりかねない。また、正式な合意に達すことがなくても、価格に影響を与える情報の交換や価格調整の意思表示のみで協調行動に認定、もしくは推定される可能性がある。以下の3点は、企業がコンプライアンス遵守において重要なことである。

一、 数量と市場分割に関する協議

価格協調のほか、同業間で生産量の制限、販売地域の分割、顧客グループの割り当てや入札談合などを約束するのは、同じく協調行動として禁止されている。例えば、各企業メンバーが特定な地域でのみ営業できる、または相手の顧客を奪ないと相互に合意するなどを約定することは、違法となる可能性がある。たとえ健全な競争を促進し、過当な競争を避けるためでも、違法なカルテルが成立するリスクは依然として高いと考えられる。

二、 技術基準制定のグレーゾン

同業組合は、業界の技術基準や業界規範の制定によく参与する。このような活動は原則的に産業の発展に一役を買うが、その制定過程において特定な競争者を排除したり、技術の革新を制限したり、またはそれによって市場分割を行うと、違法なカルテルに該当する可能性がある。したがって、企業が基準制定に参与するとき、その過程が公開で透明性が高く、当該基準の内容が合理的で必要があることを保障しなければならず、競争を制限したり新規参入者を排除したりしてはならない。

三、 情報交換の境界線

業界の情報を交流するプラットフォームを提供することは同業組合の機能の一つであるが、情報交換の内容や方式について、慎重に扱わらなければならない。通常、業界の過去情報や統計情報の共有は問題ないが、将来の事業計画や価格戦略、非公開の価格情報、顧客情報など機密性の高いビジネス情報の交換は、カルテルの道具に見なされる可能性がある。そのため、交流活動やグループトークなどにおいて、企業はこういった機密性の高い情報を言及することをできるだけ避けるとよい。

産業の発展において、同業組合は重要な役割を果たしているが、法律の枠組みの中で正当かつ合理的な業界の交流を行うこそ、業界の健全な発展を促すという組合の積極的な役割を果たすことができる。うっかりして法的境界線を越えてしまうことのないよう、同業組合に参加するとき、次のような予防策を講じるべきだ。まず、社内のコンプライアンス遵守ガイドラインを策定し、従業員が組合のイベントに参加する時の行為準則を明確に定める。次に、機密性の高い問題に関する話し合いに対して、その都度退席するか、反対の立場を表明しなければならない。さらに、会議の内容を詳しく記録し、事後の紛争を避ける。最後に、法律リスクを定期的に評価し、組合に参加する行動の適法性を確保する。

この文章は「名家評論コラム」に掲載。

https://www.ctee.com.tw/news/20251031700123-439901