工商時報_名家評論コラム 外国人の不法就労について

2025-06-26

アメリカ人ユーチューバーのレレ・ファーリーさんは、2023年台湾を訪ねた際に就労許可を申請せずに台湾のテレビ局の政治討論番組の収録に参加したため、不法就労であると認められた。今後台湾に入国することができなくなり、許可された「就業ゴールデンカード」も取り消されてしまった。また、韓国のライブストリーマー

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アメリカ人ユーチューバーのレレ・ファーリーさんは、2023年台湾を訪ねた際に就労許可を申請せずに台湾のテレビ局の政治討論番組の収録に参加したため、不法就労であると認められた。今後台湾に入国することができなくなり、許可された「就業ゴールデンカード」も取り消されてしまった。また、韓国のライブストリーマー「ペンギンガール」こと柳允進さんも、2023年台湾を訪ね徒歩で台湾一周をしていた間に同じく就労許可を申請せずにビデオゲームの一日店長を務めたため、不法就労となり、3年間台湾への入国が禁止された。

韓国のチアリーダー南珉貞の妹南至苑さんは、モバイルゲームのCM撮影のために台湾を訪れたが、同じく就労許可を申請していなかったため、不法行為ではないかと問われた。また、フランス人ユーチューバーのクーがフランスの高校生を台湾に招待し、台湾の伝統演劇に挑戦させ、ファンに有料で公演に参加するイベントを開催した。しかし不法就労の懸念があったため、全額返金してイベントの形を変更せざるを得なかった。

以上4件は、最近起こった「外国人不法就労」の実例である。〈就業服務法〉第43条「本法に別段の定めがある場合を除き、外国人はその使用者によって許可を申請しなければ中華民国国内にて就労してはならない。」によると、外国人がその使用者によって許可を申請せずに中華民国国内で働いたり、または許可されたが取り消されたり、許可の有効期限が過ぎても引き続き働いていたり、許可された内容以外の仕事を従事したり、許可された使用者以外の使用者に雇われている場合は、全て「不法就労」とみなされる。こういった場合は、行政院労働者委員会(現労働部)(88)台労職外字第002952号通達を参照すればよい。したがって、韓国のライブストリーマー「ペンギンガール」がビデオゲームの一日店長を務めたことも、南至苑氏が台湾でモバイルゲームのCMを撮影したことも、いずれも〈就業服務法〉第43条の規定「使用者によって許可を申請しなければ就労できない」を違反した明白な事例である。

アメリカ人ユーチューバーのレレ・ファーリーさんは、政治討論番組の収録に参加し、テレビ局が関連規制について注意喚起していなく少額の謝礼を受け取ったため、台湾に入国できなくなったことに失望した。しかし過去には、外国会社の台湾に駐在する外国籍の代表者がテレビ番組の収録に参加したため、〈就業服務法〉第43条を違反したと認められた事例があった。台湾高等行政裁判所103年度訴字第966号判決では、「番組出演者は制作会社によって事前に厳選されており、番組出演の際には制作会社が事前に用意した台本に沿って演技を行っている。これは、台本のないニュース番組で無作為にインタビューを受けることとは異なる」と判決を下した。さらに、同判決は、当該外国人代表者の番組出演は「臨時俳優」に該当し、まず就労許可を申請すべきであると判断した。

実際、〈就業服務法〉第43条第1項規定は、使用者が外国人を雇い台湾国内において従事できる業務の種類を詳しく列挙しており、さらに「就業服務法第46条第1項第1号から第6号の業務を外国人が従事する資格およびその審査基準」を定めている。同基準第4条では、「専門的または技術的業務」の種類を説明しており、所轄官庁も引き続き同基準第4条第15号により解釈令を発表し、指定業務項目(例えば料理人、バーテンダーなど)を増やしている。外国人の専門知識や技術を活用したければ、就業服務法の関連規制をより慎重に順守すべきだ。

関連事例に対する所轄官庁の解釈および裁判所の判決から分かるように、外国人が台湾において労務を提供することは、その契約の形式、報酬の有無や期間の長さにかかわらず、働いた事実があれば、〈就業服務法〉第43条などの規定を順守すべきだ。法規制の知らない外国人が労務を提供することに使用者はより慎重すべく、ビザ免除期間を利用して「不法就労」をしてはならない。所轄官庁は使用者に行政処分のみを科すが、外国人に対しては入国が拒否される結果になってしまうので、より慎重になる必要がある。

この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://www.ctee.com.tw/news/20250626700115-431308